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円成寺に到着したら、南側へと回り、楼門の前に広がる浄土式庭園越しに寺院全体をゆっくりと見晴らしてから参拝するのがおすすめです。そのあと、庭園よりは一段高いところに建ち並ぶ本堂、多宝塔、さらに平成30年に完成した相應殿に安置されている運慶作の大日如来像などを順に拝観するとよいでしょう。いつ訪れても穏やかな雰囲気の古刹ですが、特に春の新緑や秋の紅葉の時期は庭園も境内も美しいです。円成寺は柳生街道と呼ばれる剣豪が行き交った道の途上にあります。車やバスでアクセスした場合であっても、柳生街道を少しだけでも歩き、往時に思いをはせてみるとよいでしょう。
JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バスで約40分「忍辱山」下車すぐ(円成寺) -
般若寺が建つあたりは、奈良時代には都の鬼門であり、東北の果ての地に当たります。般若寺から北へ進むと奈良時代創建とされる奈良豆比古神社があります。奈良時代最後の天皇である光仁天皇の父・志貴皇子とその子の春日王などを祭神とします。この神社に伝わる翁舞(重要無形文化財)は、春日王の病気平癒を祈り、春日王の二人の皇子が舞を奉納したことに始まるとされます。また、都が京に遷って以降は京からの出入り口となり、あるときは旅人が、またあるときは戦火がここから南都へと入っていくことになります。鎌倉時代に、般若寺を再興した叡尊の弟子、忍性によって、ハンセン病などの重病者を救済するための施設・北山十八間戸がこの地に設けられたのも、東大寺・興福寺あたりに形成されつつあった町と付かず離れずの場所であったからではないでしょうか。
JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バスで約15分「般若寺」下車、徒歩約3分(般若寺) -
柳生といえば柳生一族の柳生新陰流の剣豪を思い浮かべる人は多いでしょう。家老屋敷や陣屋跡を訪ねれば、柳生一族が独自の剣法を通じ、徳川将軍代々の厚い信任を得ていたことが如実に伝わってきます。柳生街道も剣豪たちが行き交った道ではありますが、点在する石仏の数々が、それ以前に山岳修行者らが行き交っていたことを物語ります。新しくは東山中と国中(くんなか=奈良市街地のこと)とを結ぶ暮らしの道でもありました。柳生街道は全長約15キロ。中間地点の円成寺をめどに、徒歩での移動と車やバスでの移動とを組み合わせることで、体力的に無理なくめぐることができるでしょう。また、「剣豪を訪ねる」「古代の巨石信仰に触れる」などといったテーマを決めて訪ねることをおすすめしたいエリアです。
JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バスで約50分「柳生」下車、徒歩約5分(柳生家老屋敷) -
白毫寺を西麓に抱く高円山を東へと向かうと田原の里にたどり着きます。茶畑や田園が広がる中に、古墳などの歴史的スポットが点在すエリアです。まず白毫寺のある地に離宮を構えていたとも伝わる志貴皇子の墓とされる田原西陵。志貴皇子は、第七皇子が光仁天皇に即位したことで春日宮天皇の号を贈られました。そのため、この御陵は春日宮天皇陵とも称され、近くに春日宮神社もあります。少し離れて、光仁天皇の御陵である田原東陵も。古来、地元では「王墓」「オウノツカ(王の塚)」と呼ばれてきました。また昭和54年(1978年)に偶然発見された古事記の編纂者・太安万侶の墓(国史跡)も田原の茶畑の一角でした。なお、出土した「太安萬侶墓誌」は国宝となりました。今井堂天満神社、切りつけ地蔵なども見どころです。
JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バスで約20分「高畑町」下車、徒歩約20分(白毫寺)
